理事長挨拶

私たちのあゆみ

理事長 池田 徹

ユニバーサル就労とは、社会福祉法人生活クラブ風の村が、働きづらさをかかえた人を職場に迎え入れる仕組みとして、名づけたものです。

さまざまな理由で働きづらさをかかえる人がふえています。学校を卒業して、みずから就活して就職したり、何らかの理由で失業しても、ハローワークなどをとおして自力で再就職先を見つけるのが当然とされてきた時代がありました。しかし、現在は、何らかの支援なしでは、働く場を見つけることができない人が急増しています。かつては、働くための支援が必要なのは障がい者に限定されており、実際、障がいがある人に対しては、さまざまな就労支援制度が充実してきました。しかし、現在は、ひきこもり、生活困窮、さらには、ひとり親、若年認知症、ガン発症、LGBTなど、はたらきづらさの要因が多様化、複雑化しています。

ユニバーサル就労は、理由を問わず、働きづらい状態にある人を職場に迎えいれる取り組みです。生活クラブ風の村では、千葉県内各地の職場で70人近いユニバーサル就労の人が働いていますが、この取り組みを千葉県内、さらには全国にひろげるために、NPOユニバーサル就労ネットワークちばをつくりました。

ユニバーサル就労は、いきなり雇用契約を結んで働くことがむずかしい人のために、「雇用未満」の働き方をつくっています。無償または有償のボランティア的なかたちで働きはじめ、伴走型の個別支援をおこなうことでスキルアップを図り、雇用をめざすのです。多くの人が、この仕組みで雇用にステップアップし、さらに一般就労を達成しています。

誰もがはたらきやすい社会に

これまでは、雇用未満の働き方は障がい者の福祉的就労に限定されていましたが、2015年4月に施行された生活困窮者自立支援法によって、雇用未満の「中間的就労」が制度化されました。多様な理由で働けないでいる人たちが増えている現状に対応した画期的な制度ですが、今後、就労支援の施策を、もっともっと充実していかねばなりません。

私たちは、ユニバーサル就労(中間的就労)を広げ、だれもが「はたらくことを通して自己実現できる社会」をめざします。