事例紹介3

Cさん・40代男性
(支援期間 1年 生活保護受給者の就労準備支援事業を利用し福祉サービスへ)
支援につながったきっかけ 生活保護のケースワーカーさんと一緒に来所されました。20代の時に数年間倉庫のお仕事をされていましたが、それ以降は就職活動をやっても決まらず、挫折したまま自宅に引きこもった状態で過ごされていました。初めて来所された日はとても緊張が強く、質問に対する受け答えも時間がかかるご様子でした。
支援開始時の不安・困りごと
  • 就職活動をしても決まらず、面接でもうまく話せないこと。
  • 以前の職場で激しく叱責された記憶が残り、人と接することに苦手意識があること。
障害者手帳 なし(支援開始後、発達障害の診断のもと手帳取得)
支援内容
  • 1~2ヶ月目:初期面談を実施しましたが、なかなか言葉が出てこない状況が続き、またご本人の緊張や不安もとても強いものを感じました。これ以上、相談を続けてもご本人の気持ちが疲れてしまうだろうと思い、アセスメントを一旦中断して、グループワークに参加していただくことにしました。
  • 3~5ヶ月目:全てのグループワークに参加。約束した時間にはきちんと来所され、欠席することはほぼありませんでした。特に料理会のプログラムはご本人の笑顔が初めて見られ、緊張や不安も徐々に解消。また、2分間トークのプログラムに継続的に参加することで、会話の中の語彙量が増えコミュニケーションがスムーズになったことを受け、少しずつ相談を再開しました。
  • 6~7ヶ月目:発達障害特有の傾向が少し見られたことから、適性検査や幕張ワークサンプルを実施、実際にどれくらいの力があるのか一緒に確認をしました。少し気になる傾向が出たため、ご本人にお伝えし、一緒に病院に同行し詳細の検査を実施しました。その間、通院に抵抗を示したお母様との面談を重ねました。
  • 8~9ヶ月目:発達障害の診断が下り、障害者手帳を取得しました。その間もグループワークに積極的に参加し、笑顔が多く見られました。手帳取得後の動きについて、図表を使いながらご本人も納得した上で就労継続B型、地域活動支援センターの見学に行きました。
  • 10~12ヶ月目:就労に対しとても意欲的で、就労継続B型にて体験利用後、正式に利用を開始。2ヶ月間、定着支援を実施した後、支援を終了しました。現在は、就労継続B型で多くの仲間とともに就労を継続しています。
備考・その後
    就労準備支援につながってから、障害が分かり手帳を取得、その後福祉サービスに繋がった例です。 このように、小さい頃から周囲との違和感に悩みながらも、40代を迎えるまでどこにも繋がれなかった方々に対して制度に繋いでいくことも就労準備支援事業の役割かと思います。 ご自身の特性を理解し、無理をせずに生きられる場所を見つけられたCさんの笑顔に私たちも何度も元気づけられました。 現在通所している就労継続B型では「戦力」として活躍しているというお話を聞いています。これからの活躍やステップアップも期待したいところです!