ひきこもりからの一歩~「つくって、食べて、だべる会」~
ひきこもっている人達は、それぞれ様々な理由から他人との関わりを断ち切っていますが、ただ無為に時間を過ごしているわけではなく、これまでの自分の経験から、社会と自分自身とを見つめ直し色々なことを考えています。
そして、一人だけで考えているうちに、心が内向きになり、更に他人との関わりに自信が持てなくなってしまいます。
相談員は、ひきこもりの当事者や家族との面談を重ねながら、内向きになった心を少しずつ少しずつ外向きにしていくのですが、心が外向きになったとしても、ひきこもっている人達にとって、家から出て他人と関わりを持つことは、とても高いハードルになります。
- 人と上手く話ができるだろうか
- 人に嫌われたりしないだろうか
- 人に笑われたりしないだろうか
- 人は自分を受け入れてくれるだろうか
etc・・・・・・・・・・
色々考えているうちに、不安になって、怖くなって、体が動かなくなってしまう。
そんな不安を抱えた人達ですから、ひきこもりから踏み出す第一歩での躓きが少ないほど、その後のステップをスムーズにすることができます。
千葉市ひきこもり地域支援センターでは、ひきこもりの人達が安心して第一歩を踏み出せる場所として、いくつかの団体の活動を利用していますが、そのうちの一つに、以前ブログでも紹介のあった私たちの仲間の千葉市就労準備支援室が主催して、千葉市ハーモニープラザの料理実習室で行っている「つくって、食べて、だべる会」があります。
ここでは、人との関わりに不安を持っている就労準備中の人達とともに、食材等の買い出しから調理、食事、後片付けまでを一緒にします。
作るものは極々一般的なもので、スタッフ作成の分かり易いレシピもありますし、作業を分担することもできるので、誰でも参加できるプログラムになっています。
また、利用する料理実習室は明るく開放的で、調理器具も食器も何でも揃っており、しかもピカピカ。料理の経験のない人でも、思わず色々な器具を触ってみたくなってしまいます。
上手くできればみんなが笑顔になりますし、多少の失敗もみんなが笑顔でカバーしてくれ、当センターも安心して利用している活動となっています。
先日(9月22日)の会では、ひきこもりから第1歩を踏み出すこととなった男性2人と女性1人、スタッフ、それに今回は、ひきこもりサポーターも加わって生姜焼きを作り、みなさん「また参加したい。」「他の活動にも参加したい。」と、無事に第一歩を踏み出すことができました。
なんと言っても、みんなで作り、みんなで味わうことを通じて、人と一緒に料理ができた、人と話ができた、人と一緒に笑えたという経験ができることが、次の一歩に繋がると感じています。
これからも、こうした活動を利用して、ひきこもりからの第一歩を踏み出す人達を応援して行きたいと思っています。